現在、林芙美子の有名な作品「放浪記」を読んでいます。大正11年から5年間、本当に日本全国、さらには海外までを放浪し、たくましく生き抜いている様に引きつけられ、ぐいぐい読んでいるのですが、その中に、「東京に戻って、あの赤味噌の味噌汁を飲みたいものだ」というような記述がありました。「ええ、東京のお味噌といったら赤味噌なのか」と驚きました。
無知でお恥ずかしいのですが、東京って、特になんのお味噌を使うというイメージがありませんでした。
このコラムを執筆させていただくにあたり、元禄初(1688)年創業ちくま味噌の代表的なお味噌が、「赤味噌」であることを知り、また東京のお味噌の代表は、甘い赤味噌であることを知りました。
そもそも赤味噌とは、大豆の浸水時間を長くし高温で長時間蒸煮することで蛋白質の分解が促進され、メイラード反応が進み赤褐色になったもの。
分布としては、辛口の仙台味噌,江戸甘味噌,東海豆みそや田舎味噌(麦みそ)等があるそうです。
そしてこのちくま味噌の赤味噌は、元禄初年、乳熊屋作兵衛商店として、深川永代橋にて創業以来300余年を迎えて以来、宮内庁をはじめ多くの食通の方に愛されています。また、歌舞伎の「四千両小判梅葉」の中にも、「道理で味がいい、味噌はちくまにかぎるのう」という台詞があるほど、メジャーなお品物でもあります。
ところで、今回ご紹介させていただくこのお品物、
江戸甘味噌 赤
【サイズ】335x230x100mm
【内容量】500gx6
4,500 円
一つ当たり750円と、とても良心的なお値段です。
老舗のことを色々調べてまいりますと、老舗であるほど、原材料にこだわり、昔からの製法を守っているということで、とても体に優しいものが多いこと。そしてお値段もきちんとお品物に見合った値段であるということが、しみじみと実感させられます。堅実で、正直。そうでなければ、老舗であり続けることができないんですね。
お味噌はどんなご家庭でも必需品だと言えるでしょう。ぜひ、東京みやげに、「歌舞伎の台詞にまでなっているお味噌なんだよ」とお配りください。