明治以前の日本では、牛や豚の肉をほとんど食べませんでした。きっかけになったのは、675年に天武天皇が「肉食禁断令」を出したことだといわれています。これは、仏教や稲作を広めるための一策ではなかったか、という解釈されています。その後も国はたびたび獣肉が禁止する令を発し、次第に「肉は食べない」という考えが人々の間に定着していきました。
一方で、実際にはお肉の栄養価が高いことはも知られており、薬と称してお肉が食べられることがありました。たとえば、彦根藩では牛肉のみそ漬けを養生食として幕府に収めていたようです。お殿様はずるいですね。
さて、そんなお堅い縛りから解放されて久しい現代では、私たちは心おきなく牛肉をいただくことができます。牛肉の脂肪に含まれるアラキドン酸の一部が、私たちの脳内で「アナンダマイド」という物質に変化します。このアナンダマイド、幸福や快感を感じる物質ともいわれており、牛肉を食べて美味しいくてシアワセを感じるというのには、化学的な作用があるようです。
小難しいことはさておき、食肉が禁じられていた時代でも殿さまが食べたかった(そして食べていた)牛肉の味噌漬け。今回は明治13年に創業されたすき焼の老舗「ちんや」の牛肉のみそ漬けをご紹介したいと思います。
牛肉や豚肉のみそ漬けが商品となって販売されている場合、よく「みそ漬け用」の部位の肉が使われています。みそ漬けにすることで、熟成されたり、肉が柔らかくなったり、臭みが苦手な人でも食べやすくなったりしますので、すき焼きやステーキには使われない部位でもみそ漬けなら・・・と使われることが多いためだと思われます。ですが、ちんやの牛肉の味噌漬けはすき焼きにも使える一級品の肉を使用。秘伝の配合の味噌が、いっそうその味をひきたててくれます。サシもしっかり入っていますから、アナンダマイドもだっぷり出ることまちがいなし。みそ漬けを焼いたものは、冷ましても美味しいですね。
牛肉みそ漬(450g) 5,709円
牛肉みそ漬(900g) 11,109円
ちんやでは、国産黒毛和牛の雌牛だけが使われており、その味はまちがいなしです。おいしくて幸せになれるちんやの牛肉の味噌漬け、是非一度お試しください。