金鍔(きんつば)は餡のまわりに薄く溶いた米粉や小麦粉を浸して、鉄板の上で焼いた和菓子です。最初に生まれたのは江戸中期の京都だったそうですが、そのころは、餡のまわりの米粉の白くて薄い皮の色から「銀鍔」という名前だったといわれています。「鍔」はその形を刀の鍔にみたてたところに由来します。なので最初は丸い形だったのです。
このお菓子が京から江戸にやってきたのが享保のころ。「銀より金のほうが縁起がいい」ということから名前は「金鍔」となり、餡のまわりも米粉ではなく小麦粉がつかわれるようになりました。
さてこの享保のころにはまだ、榮太樓總本鋪はその前進である井筒屋というせんべい屋でした。井筒屋の三代目、細田安兵衛は、様々な面で創意工夫に長けた人物だったといいます。1857年に日本橋で店舗を構え、この金鍔を売り出しました。当時の日本橋は魚河岸で働く人たちで賑わっており、この金鍔は日本橋の人々に大変な人気となりました。やがて屋号も榮太樓となり、現在まで受け継がれています。
明治以降、金鍔は関西を中心に形が四角くなったものがメジャーになりましたが、榮太樓總本鋪では昔ながらの丸い形をした金鍔が、創業時から変わることなく作り続けられています。そういえば多くの刀の鍔は丸い形、丸いほうがもともとだというのもうなずけますね。
榮太樓總本鋪の金鍔は、餡のまわりの小麦の皮が非常に薄くて見た目も真っ黒、胡麻油をつかって焼きあげられることから、大変香ばしいのが特徴です。餡は甘さが上品で、かつみっちりとして気持ちよい歯ごたえ。上に載せられた黒胡麻も程よいアクセントを与えてくれます。この黒胡麻の粒ひとつとてみても榮太樓のまじめさを感じることができます。さすが、150年以上この店で作られてきたという完成度の高さを感じる一品です。
また、榮太樓總本鋪の金鍔は小ぶりなので、お試しもしやすい大きさと思われます。ご自宅で楽しむためにも勿論、おみやげ、ご進物などとしても是非、お求めください。
【にじいろジーンでご紹介】名代 金鍔 195円
原材料名:砂糖、小豆、小麦粉、鶏卵、食塩、黒ごま、ごま油
※3個入り、6個入り、12個入り、18個入り、24個入り、詰め合わせなどのラインナップもあります。