私たちが普段つかっている醤油の原型は、味噌だった、といわれています。味噌は大豆、小麦、米、塩、麹などを材料として作られますが、味噌を熟成させておくと、容器の縁のあたりに液体の上澄みがたまってきて、この上澄みで魚を煮たりしていたようです。これがのちに「たまり醤油」となったわけで、味噌の名残が強い製法といえます。
さて、江戸時代初期~中期ごろまでは、醤油と言えばこの「たまり醤油」が主流でした。昔はそれぞれの家庭で味噌を作ることが多かったので、そのような使い方も可能だったのかもしれませんね。ですが、たまり醤油は大量生産をするのが難しいため、現在は中部地方など一部地域でしか作られてません。その大豆の風味がしっかりした、濃厚なうまみ、甘み、とろみは、今なおその地域のファンの心をがっちりとつかんでいます。そういえば、マルコ醸造のある岐阜やおとなりの愛知といえば味噌文化が色濃いところ。だからこそ味噌にちかいこのたまり醤油の良さが、時代に流されずに愛され続けているのかもしれませんね。
マルコ醸造では、大正百年に合わせた挑戦作として、そんなたまり醤油風のお醤油を手ごろな価格でつくりました。
特徴は、3年半にわたって寝かせたことで得られるその香りと甘み、塩辛さのとがりがとれてまろやかになった旨みです。一般的な醤油では、熟成も含め製造期間はおよそ半年ですから、このお醤油の旨みがいかにゆっくりじっくりつくられたかわかるというもの。非常に濃厚ですが、むしろ濃いために、使うのはほんの少量でOKです。バーベキューやジンギスカンのたれとしても好評ですし、チャーハンなど炒め物の仕上げに鍋に這わせると、最高に香りが立ちます。もちろん、普通のお醤油のように、焼き魚やお寿司、刺身、肉料理に使っても美味しいです。
たまり風長熟弐年醤油 150ml 540円
賞味期限は製造日から2年ほどで、直射日光を避けて常温で保存してください。レトロなパッケージも可愛いですね。お試ししやすい150ml瓶、是非、ご家庭の食卓に1本、置いてみませんか?